MuseにGemini Notebookを任せてみた記録:「秘書が爆誕」は本当だったか

Xで「MetaのAIエージェント Muse に Gemini Notebook を任せたら、自分専用の秘書が爆誕した」という記事を見て、本当かどうかを Muse 本人に任せて確かめました。結論は、記事の主張は本当でした。ただし、途中で間違っていたのは記事ではなく、実験した AI のほうでした。この記事は、2026年11月4日から5日にかけて行った実験の記録です。
この実験で確かめたこと
確かめたのは、X記事(えーたん/@ai_jitan)の主張です。主張は「Gemini Notebook の3つの機能(ソースのストック、資料への質問、Studio生成)が、専用連携ではなくブラウザ操作で、Muse から全部使える」というものです。あわせて、記事の範囲外の使い方(議事録の作成など)も、実務で使えるかどうか試しました。
試した条件
項目 | 内容 |
ツール | Muse(Meta の AI エージェント)、Gemini Notebook(旧 NotebookLM、Google) |
モデル・バージョン | Muse は Muse Spark(実験時点)。Gemini Notebook のモデル表示は未確認 |
プラン | Muse は無料プラン。Gemini Notebook は PRO(仕事用の Google Workspace のアカウント。2026-11-05 に画面のプランのバッジで確認) |
試した日 | 2026年11月4日〜5日 |
画面 | Muse の仮想マシンのブラウザ。Google へのログインは、筆者本人が画面を引き継いで行った |
使った素材 | 架空のサンプル資料2件(新商品の企画メモ、会議メモ)、合成音声で作った会議音声(約40秒)、既存のノートブック「本:人を動かす」。実在の業務資料は使っていない |
かかったもの: 作業は2日間にまたがりました。音声解説の生成待ち(約1時間)を含みます。Muse の利用枠の消費量は記録していないので、ここには書きません。
Muse でできること・料金・始め方は、Meta の Muse とは|できること・始め方・料金と、実際に使って分かった注意点 にまとめています。
試したこと
1回目:既存のノートブックで質問してみた
プロンプト:
この本で繰り返し説かれている、人を動かすための基本原則を3つ挙げてください結果: ノートブック「本:人を動かす」から、「批判・非難・不平を言わない」「率直で誠実な評価を与える」「相手の立場に立ち、強い欲求を起こさせる」の3原則が、出典の引用つきで返りました。資料への質問は使えました。
うまくいかなかったところ: 目立った失敗はありませんでした。
次に変えたこと: 既存のノートだけでなく、まっさらな資料でも同じことができるか、新しいノートブックを作って試すことにしました。
2回目:架空の資料を入れて、6つの仕事を頼んだ
テスト用のノートブック「Muse動作テスト(削除可)」を作り、架空の資料2件を入れました(ストック機能の確認)。アップロードは2回中断しましたが、再試行で両方とも入りました。そのあと、6つの仕事を頼みました。
2件の資料全体を200字程度で要約してください会議メモをもとに、正式な議事録(日時・出席者・決定事項・議論の要点)を作成してください会議で決まった次回までのタスクを、担当者と期限つきで一覧にしてください会議の決定事項を関係者に共有するメール文面を作成してください企画資料をもとに、企画書のアウトライン(目的・背景・商品概要・販売計画・リスクと対策)を作成してください加湿器の想定価格と、競合品の価格を教えてください
結果: 要約、タスク整理(鈴木は11月7日、佐藤は11月11日、高橋は11月14日まで)、メール文面、企画書のアウトライン、価格への質問(自社3,980円、競合2,980円)は、すべて資料のとおり正確でした。
うまくいかなかったところ: 議事録だけは、内容は正しいのに正式な体裁にならず、要約文のような文章になりました。もう1つ、この回の報告では、実験した AI(Muse)が元記事の主張を取り違えていました。記事に書かれていない「会議中のリアルタイム文字起こし」と「スケジュール整理」を記事の主張として挙げて、「できない」と判定していたのです。

次に変えたこと: 元記事を全文読み直して、主張が何かを確かめ直します。議事録は、書式を指定して頼み直します。
3回目:記事を読み直し、議事録は書式を指定して作り直した
元記事を本文と画像8枚まで読み直すと、主張は「3つの機能が全部使えた」だけで、「文字起こし」「スケジュール」という言葉自体が記事にありませんでした。2つの「できない」判定は取り下げます。議事録は、次のプロンプトで頼み直しました。
会議メモの内容だけを使って、次の書式で議事録の全文を作成してください。要約文ではなく、各項目を見出しつきで、具体的な内容を箇条書きで全て書き出してください。【会議名】【日時】【出席者】【決定事項】【議論の要点】【次回までのタスク(担当者と期限)】【次回会議の予定】変えたところ: 「正式な議事録を」と頼むのをやめて、項目名まで書式を指定しました。
結果: 会議名、日時、出席者、決定事項、議論の要点、担当者と期限つきのタスク、次回会議の予定までそろった議事録になりました。同じプロンプトでもう一度生成しても、項目と値はすべて一致しました。

うまくいかなかったところ: 目立った失敗はありませんでした。ただし、「議事録を作って」とだけ頼むと要約調になる点は残ります。
次に変えたこと: 残っていた未確認の項目、音声の扱いと Studio 生成を試します。
4回目:音声を入れて、文字起こしと Studio 生成を試した
会議風の音声ファイル(合成音声、約40秒)を、3つ目のソースとして入れました。
音声ソースの内容を文字起こしして書き出してください結果: 文字起こしはできました。試作2号機の完成、静音性28dB、耐久試験があと1週間かかること、量産判断は来週の定例に持ち越すことまで、内容は正確でした。Studio 生成では、マインドマップ(中心の話題から3つの枝に分かれた図)とレポート(価格3,980円、発売2026年3月1日、競合2,980円まで正確な文書)が作れました。
うまくいかなかったところ: 音声解説だけは、生成を始めてから12分たっても終わりませんでした。その日の夜に確かめると完成していて、タイトルは「ケーブル1本で止まった小型加湿器」、再生時間は16分31秒でした。開始からおよそ1時間かかっていた計算です。失敗ではなく、「時間がかかる」が正確なところです。

分かったこと
- 専用連携がなくても、ブラウザを操作できる AI エージェントなら、Gemini Notebook のような Web ツールを代わりに使えます。ログインは本人が行う前提です。
- 議事録のように形式が大事な成果物は、「作って」だけではなく、項目名まで書式を指定して頼むと体裁がそろいます。
- 音声解説の生成には約1時間かかりました。終わるのを待つのではなく、出来上がる前提で放置する使い方が合います。
- AI の要約は、元の主張を膨らませることがあります。何かを判定する前に、原文が何と言っていたかを確かめるのが安全です。
- ブラウザ操作は時々つまずきます。アップロードの中断のように、再試行すれば通る前提でいるのが実態に合います。
Gemini Notebook の機能・プラン・名前が変わって何が変わったかは、Gemini Notebook(旧 NotebookLM)とは|名前が変わって何が変わったか・基本の使い方 で解説しています。


