Midjourneyは、2025年春に活発なアップデートを続け、待望の次世代モデル「V7」のアルファ版リリースをはじめ、多くの新機能や改善を行いました。ここでは、2025年3月末から5月初旬にかけて発表された主なアップデート情報をご紹介します。
V7 アルファ版、ついに登場 (2025年4月4日発表)
コミュニティによる複数回の「レーティングパーティ」を経て、Midjourney V7のアルファ版がテスト公開されました。この新しいモデルは、以下のような大きな進化を遂げています。
- プロンプト理解力の向上: テキストプロンプト、画像プロンプトともに、より賢く意図を汲み取るようになりました。
- 画質の向上と一貫性: 美しいテクスチャ表現、身体や手、オブジェクトのディテールにおける一貫性が大幅に向上しました。
- モデルパーソナライゼーション (デフォルトON): ユーザーの美的感覚に合わせて結果を調整する機能が初めてデフォルトで有効になりました(利用には初回アンロックが必要)。
- 新機能「ドラフトモード」:
- 通常モードの半分のコストで、レンダリング速度が10倍に高速化。アイデア出しや反復作業に最適です。
- Web版では、ドラフトモード使用時にプロンプトバーが「会話モード」に変化。AIと対話しながらプロンプトを調整したり、「ボイスモード」で音声入力も可能です。
- プロンプトに
--draft
を追加しても利用できます。 - 生成されたドラフト画像は低品質ですが、「Enhance」ボタンでフル品質に向上させることができます(後のアップデートでさらに改善)。
- 起動モード: まずは「Turbo」(V6通常ジョブの2倍コスト)と「Relax」モードで提供開始。標準速度モードは最適化後に提供予定。
- 制限事項: 当初、アップスケール、編集、再テクスチャ機能はV6モデルを利用。MoodboardsとSREFは利用可能。
- 今後の予定: V7キャラクター・オブジェクト参照機能などが今後数週間~数ヶ月で追加予定。
V7の機能拡充とエディタの進化 (2025年4月24日発表)
V7アルファ版のリリース後も、機能追加や改善が続けられました。
- エディタ機能の強化:
- 外部画像エディタが全メンバーシップティアで利用可能に。
- UIが刷新され、編集や再テクスチャがよりシンプルに。
- 複数画像をレイヤーとして読み込み、コラージュ作成などが可能に。
- クリックでオブジェクトを選択・削除できる「スマートセレクション」機能を追加。
- V7用 新プロンプトバー: パーソナライゼーション、ドラフトモード、会話(LLM)モード、ボイスモードの各ボタンが独立。AIによるプロンプト支援(会話モード)も搭載。
- V7でのパラメータ対応:
--weird
(0-3000): 意図的に通常とは異なる、斬新で奇妙な美的表現を試せるパラメータが復活。--tile
: シームレスな繰り返しパターンを作成。- Remixモード: バリエーション生成時の制御を強化。
- V7改善のためのフィードバック機能: 画像の評価(好き/嫌い/普通)をライトボックス内で行えるように。キーボードショートカット(1, 2, 3キー)にも対応。
最新V7アップデートと新パラメータ --exp (2025年5月1日発表)
5月に入り、さらなる改善と新機能が追加されました。
- V7モデルの品質向上:
--v 7
で生成される全ての画像について、画質、プロンプト精度、手の精度、身体の一貫性がわずかに向上しました。 - ライトボックスエディタの改善: コミュニティのフィードバックに基づきUIを改良。画像リールが右側に再表示され、デフォルトで移動ツールが選択されるように。スマートセグメンテーションも統合。VaryやUpscaleボタンもエディタ内に配置されました。
- 新パラメータ
--exp
(Experimental Aesthetics):- 画像の美しさ(Aesthetics)を実験的に調整する新しいパラメータです (
--exp 0
~100
、デフォルトは0
)。 --stylize
に似ていますが、画像をより詳細に、ダイナミックに、クリエイティブに、そして「トーンマッピング」されたような表現にする効果があります。- 値を高くするとプロンプト精度や多様性は低下します。
- 推奨値は 5, 10, 25, 50, 100。特に5~50の間で変化が大きいです。
- 高すぎる値 (25-50以上) は、他のパラメータ (
--stylize
など) の効果を上書きする可能性があるため、併用時は低めの値が推奨されます。
- 画像の美しさ(Aesthetics)を実験的に調整する新しいパラメータです (
まとめと今後
Midjourney V7は、アルファ版のリリースから短期間で急速に進化を続けています。画質の向上、新しいドラフトモードによる高速イテレーション、パーソナライゼーション、そして --exp
のような新しい表現ツールにより、ユーザーはこれまで以上に多様で高品質な画像を効率的に生成できるようになりました。
今後予定されている「omni-reference」や「fast-mode」の正式リリースも待たれます。Midjourneyの進化から目が離せません。
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